なぜいま、この商品なのか
背景にあるのは、都心マンション価格の高騰です。都心6区のマンション価格は2005年比で+220%。1億円を超える物件が当たり前になり、価格の上昇トレンドは構造的に続いています。
一方で、買う側の住宅ローンはどうでしょうか。1億円を35年ローンで組むと、月々の返済額は60万円超。心理的なハードルは相当なものです。「では期間を延ばして50年ローンに」と思っても、完済時年齢が80歳を超えてしまい、そもそも組めない方が多いのが実情です。
「月額は抑えたい。でも、資産性の高い都心物件を買いたい」。このジレンマに正面から応えるのが、今回ご紹介する期日一括返済併用型住宅ローンです。
仕組み ― 「毎月返済」と「期日一括」のハイブリッド型
この商品の最大の特徴は、借入を2つの部分に分けることです。
返済構造(借入1億円の場合)
| 毎月返済分(50%) | 元本+利息を毎月支払う、通常の住宅ローンと同じ部分 |
|---|---|
| 据置分(50%) | 毎月は利息のみを支払い、元本は期日(最終回)に一括返済 |
つまり、半分は普通のローンとして毎月コツコツ返し、もう半分は「利息だけ払いながら元本を最後まで据え置く」イメージです。据え置いた元本は、将来の売却資金・借換え(リファイナンス)・自己資金などで返済します。
期日一括部分の割合は担保価格の50%で固定です(変更はできません)。
金利と主な条件
商品概要(2026年6月時点の資料に基づく)
| 金利 | 年1.550%(新規借入れ・変動金利・通期引下げプラン) 基準金利 年3.525%、引下げ幅 年▲1.975%。通常金利に年0.35%上乗せの設定 |
|---|---|
| 対象となる方 | 申込時の前年年収1,000万円以上(個人事業主は申告所得) ペアローンの場合はどちらか一方が1,000万円以上。ペアの場合は両方とも本商品を選択 |
| 資金使途 | 売買金額1億円以上の新築・中古マンションの購入資金(ご自宅用) |
| 対象エリア | 東京都23区、神奈川県横浜市・川崎市、大阪府大阪市 |
| 借入金額 | 500万円以上8億円以下(10万円単位) |
| 期日一括部分 | 担保価格の50%(固定) |
| 団体信用生命保険 | スゴ団信(引受:SBI生命保険株式会社)に加入 |
月々いくら変わる? ― シミュレーション
金利1.55%・返済期間35年・期日一括部分50%の条件で、通常の35年ローンと比較してみます。
月額返済シミュレーション
| 借入額 | 本商品の月額 | 通常35年ローン | 35年後の一括返済額 |
|---|---|---|---|
| 1億円 | 21.9万円/月 元利均等分15.4万+据置利息6.5万 |
30.9万円/月 | 5,000万円 |
| 2億円 | 43.8万円/月 元利均等分30.9万+据置利息12.9万 |
61.7万円/月 | 1億円 |
| 2.5億円 | 54.7万円/月 元利均等分38.6万+据置利息16.1万 |
77.2万円/月 | 1.25億円 |
1億円の借入で月々約9万円、2億円なら約17.9万円、2.5億円なら約22.5万円の軽減。この差額を教育費や資産形成に回せるのが、この商品の実利です。
どんな人に向いているのか ― 3つのケース
資料に掲載されているケーススタディを具体的に見ていきます。
ケース1:35歳・年収1,200万円 ― 新築1億円マンションを買いたい
通常の35年ローンだと月30.9万円。年収1,200万円でも、手取りから考えると月30万円超の住居費はかなり重い水準です。
本商品なら月21.9万円。月9万円の差は年間108万円。この余力を資産形成に回しながら、資産性の高い都心物件を保有できます。将来の売却・住み替えも視野に入れた、攻めと守りを両立する選択です。
ケース2:40歳・共働き世帯年収2,200万円 ― 港区2億円マンションをペアローンで
いわゆるパワーカップル世帯。2億円の通常ローンは月61.7万円と、いくら世帯年収があっても教育費との両立は容易ではありません。
本商品をペアローンで組めば月43.8万円に圧縮。10〜15年後の住み替えを前提に保有し、売却時に据置分を返済する計画が立てられます。ペアローンの場合は、どちらか一方の前年年収が1,000万円以上であることが条件です。
ケース3:55歳・年収1,500万円 ― 50年ローンが組めない年代の選択肢
50代での高級マンション購入は、完済時年齢の制約で長期ローンが組みにくく、月額負担が跳ね上がりがちです。老後資金も確保しながら住まいのグレードを上げたい、というニーズに対して、長期ローンに頼らずに月額を抑えられるのがこの商品の強みです。
据え置いた元本は、退職金や資産の売却など、ライフプランに合わせた出口で返済を計画します。
必ず理解しておきたい注意点
① 期日に元本の一括返済が必要
据置分の元本は最終回にまとめて返済します。売却・借換え・自己資金など、出口の計画を最初から立てておくことが大前提の商品です。「最後にどう返すか」を曖昧にしたまま借りる商品ではありません。
② 住宅ローン控除は毎月返済分のみ
期日一括返済部分は住宅ローン減税(控除)の対象外です。控除を最大化したい方は、この点を織り込んで資金計画を立てる必要があります。
③ 繰上返済は毎月返済分のみ可能
据置部分の元本を途中で減らすことはできません。また、変動金利のため金利上昇リスクがある点は通常の住宅ローンと同様です。
よくある質問
Q. 中古マンションでも使えますか?
使えます。完済時の築年数が65年以内であることが条件です。
Q. 売却するときの残債はどうなりますか?
売却代金で期日一括部分を含む残債を完済する形が基本です。
Q. 期日一括の割合(50%)は変更できますか?
50%で固定のため変更できません。
Q. 申込みから実行までの時間は?
正式審査に時間がかかる場合があります。通常の住宅ローンと必要書類・スケジュールに大きな違いはありませんが、余裕を持った計画をおすすめします。
申込みの流れ
- STEP 1 仮審査 ― 公式アプリ・WEBから申込み
- STEP 2 正式審査 ― 必要書類を提出しWEBで手続き
- STEP 3 契約内容登録・ご契約 ― WEBで契約手続きを行い、お借入れ
まとめ ― 「月額を抑えつつ資産性重視」という新しい買い方
期日一括返済併用型住宅ローンは、誰にでも合う商品ではありません。年収1,000万円以上・1億円以上の都心マンションという明確な対象設定があり、出口計画を立てられる方のための商品です。
一方で、条件に合致する方にとっては「月々の返済を抑えながら、値上がりの続く都心物件を保有する」という、これまでなかった選択肢になります。特に、住み替え前提の購入や、50代からの住まいのグレードアップを考えている方には、検討の価値が十分にあります。
Diary.では、物件のご紹介から資金計画のご相談まで、一人ひとりの状況に合わせてサポートしています。「自分の場合はどうなる?」というご相談は、お気軽にご連絡ください。
※本記事は2026年6月時点の住信SBIネット銀行(銀行代理業者:グッドモーゲージ株式会社)の商品資料に基づいて作成しています。金利・商品内容は変更される場合があります。実際のご利用にあたっては、審査があります。最新の条件・詳細は取扱金融機関へご確認ください。本記事は商品の一般的な解説であり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません。